寝る前に、真湖がまたタブレットを見ていると、後ろを通った雅喜が覗き込んで笑う。
宿ではなく、指輪をせっせと見ていたからだ。
「いいの、あったか」
と訊いてくる。
「これとか、これとか、これとか、素敵です」
覗き込んだ雅喜が言った。
「……お前、最後のやつ、値段見ろ」
「一、十、百、千……
……すみません」
「それやって海外旅行にでも行ったら、道歩いてるとき、指ごと持ってかれるぞ」
「はーい。
もう一度、探してみます」
そう答えながら思う。
旅行と一緒で、選んでるときも楽しいから、もうちょっと選んでいたいなと。
会社には早くやっていかなきゃいけないけど。



