課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 ちょっと機嫌が悪いようだ。

 真湖はソファの前に回り、雅喜の側に座った。

「課長、なんだかわかんないけど、すみません」
と言うと、雅喜は溜息をついて、タブレットを脇に置いた。

「なんだかわかんないけどってことは、反省してないわけだろう。
 理由がわかってないんだから。

 とりあえず謝っとけってっていうのはよくないと、いつも言ってないか」

「はあ、そうですね」
と言いながら、それはいつも職場で言われてますよね。

 此処は職場ですか、と思ったが、雅喜はちょっと迷ったあとで言う。

「お前が借り物の指輪でいいと言うんならそれでいい。
 日曜にでも二人で見に行こうかと思ってたから、それで断っただけだ」

「課長」

「だからなんだっ」

「私なんかのために、そんなことしてくださらなくていいです」
と言うと、

「へりくだるな。
 お前は下僕か」
と言ってくる。

 ええ、ちょっとそんな感じですよね。

 っていうか、貴方の前に出ると、みんなそうなりますよね、と思っていた。