課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「この席というのは、ゴザのことだ。
 ゴザは寝るのにも使うから、つまり、男女七歳にして、同衾するなという意味だ」

「……はい。
 って、だから、やっぱり、迂闊にこういうことするなって意味じゃないですかっ」

「幼いうちはな。
 いい大人になってしなかったら、それはそれで問題だろう」

 国が滅びる、と言う。

 なにやら壮大な話になってきたな、と思った。

「沢田、お前は七歳か?」

「いえ……違いますけど」
と罰悪く言うと、雅喜が笑った。

 あ、こういう顔は可愛いんだけどなーと思っている間に、キスされる。

 そういえば、何度かスマホが鳴っていたようだ、と思ったが、あまり耳には入っていなかった。

 雅喜の声しか、耳に届かなかったから。

「さっき……」
「はい」

「俺と居てドキドキしないのか、と聞いたのは……」

 そこから先を雅喜は言わなかった。

 そのあと、彼はもうしゃべらなくなったが、なにを言おうとしたのかはわかる気がした。

『俺がお前と居て、ドキドキするからだ――』