課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「でも、私は課長のちょっと間抜けなところとか、意外とできないこともあるとことか、無愛想なところとかが可愛いと思います」

 一気に言ってしまい、
「ああっ。
 怒らないでくださいっ」
と真湖は身構えた。

 だが、雅喜は笑ったようだった。

 間近に微笑まれた真湖は赤くなってうつむき、手を外そうとしたが、今度は雅喜がつかんで離さなかった。

「課長……はなっ、離してくださいっ」

「ドキドキとかしてるのか?」

「してますっ。
 してますからっ、離してください〜っ」

 っていうか、口に出して訊かないでっ、と手が離れないなら、せめてっ、と上半身を雅喜から遠ざけようと反ってみた。

 そこで、雅喜が少し手の力を緩めたので、真湖はひっくり返ってしまう。

 肘掛で頭を打った。

 真湖を見下ろし、雅喜は大真面目な顔で言ってくる。

「お前、そこで自分から横になるとか、襲ってくれと言っているのか」

「課長が手を離したからですよっ」

 いてて、と真湖は後ろ頭を押さえた。

「やっぱり、怪しいですよ、課長っ。
 今の一連の流れがスムーズ過ぎですっ」