課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 私にしたみたいに、ちょっと話が合ったからといって、他の女子社員にも、キスのひとつもしているかもしれないし。

 お義母さまとかに聞いたら、ぺらっとしゃべりそうだな……。

 でも今は、せっかく見せてくれたこの夜景をありがたく見ていよう、と結論づける。

「綺麗ですよねー。
 近くで見ても綺麗でしょうけど。

 遠く離れると、全体的にぼんやり光が広がって」

 より綺麗だ。

 ちょっと寒いのも気にならないくらい、と思っていると、ふいに雅喜が肩に触れてきた。

 え、と思って見上げると、軽くキスしてくる。

「え……

 えーと。

 今、酔ってました?」
とつい、訊くと、少し赤くなり、

「呑むどころか、まだ晩ご飯も食べてないだろうが」
と言ってくる。

「さっきのサイトには書いてなかったのか。
 夜景を見てデートしたら、キスをするとか」

「あー、あったかもしれませんね。
 課長も読んだんですか?」
と言うと、

「読んでない」
と少し怒ったように言う。

「そ、そうですか」

 じゃあ、今のはなんだろう、と思っていた。