課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 


 車は山の中腹の公園に着いた。

 そこから近くの工場群が一望にできる。

 車を降りた真湖は、
「こんなところがあったんですね」
と斜面になっているギリギリ端まで出てみた。

「近くに桜の木が結構あって、花見もできるぞ」
と振り返り雅喜が言う。

 それぎり黙っている真湖の顔を見て訊いてきた。

「どうした?
 気に入らないか」

「いいえ、とても綺麗です……」

 だから気になったのだ。

 なんで、この人、こんなところを知ってるんだろう。

 三上ならわかる。

 絶景スポットも熟知してそうだ。

 デートに使える場所なんかも。

 でも、なんで、この人が知ってるんだろうと思ったのだ。

「帰るか?」

「帰りません。
 もうちょっと見てます」

 このまま、微妙な空気になるのもな、と思い、真湖は思っていることを全部口にした。