案の定、真湖は三上のところに行ったようだ。
羽村は階段のところから、二人の様子を窺っていた。
早く戻らねばならない仕事があるのだが、ちょっと気になり、帰りに三上のところを覗いてみると、案の定、真湖が相談に訪れていた。
自分たちの仲をなんとか修復しようとしているようだ。
ほんとに人のいい。
五嶋課長に、僕に言い寄られて、困っていると泣きつけばいいだけなのに。
社内での立場的にも、さすがにあの人には逆らえないのだから。
まあ、君がやさしさからそういう隙を見せるのなら、そこにつけ込むだけだけど――。
自分がこういう人間だから、彼女は三上の方に行ったのだろうな、とは思うのだが。
負けを認めるのは嫌だった。
特に三上が相手だと。
いい友人だと思ってるし、認めている部分も多いだけに、ちょっと悔しい。
それに、真湖はひとつ勘違いしている。
今回、何故、自分が三上に対して、腹を立てているのか。



