「真湖りんとは誰だね? 五嶋くん」
柔和な笑顔で、社長に訊かれ、雅喜は改まって答えていた。
「は、沢田真湖のことです」
公開処刑か、これは。
課長が?
私が?
「ああ、沢田真湖で、真湖りんね」
社長は特に雅喜をいじめているつもりもないらしく、なるほどなるほど、と笑う。
何処かフライドチキンのお店の白い人に似ている社長は、楽しげだった。
「すみません。
みんなが呼んでいるので、つられて、つい」
違うだろ。
昨日、散々、私を真湖りんと呼んでいじめたからだろ、と思っていると、社長がこちらを見、
「沢田真湖くん。
真湖りんか」
と確認するように言い、頷く。
す、すみません。
もう勘弁してください……。
「沢田くんは美人だしねえ。
面食いだね、五嶋くんは」
ははは、と笑って、社長は行ってしまう。
それを目で追っていると、局長の声がした。
「……五嶋くん、ちょっと」
……ですよね。



