課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 まあ、確かに綺麗な顔してるよな、と改めて間近に見て思った。

 いつもは緊張して目を合わせられないのだが。

 課長の顔を間近に見たって、あのときくらいだな、と余計なことを思い出す。

 花田と礼子たちが結構しゃべっていたので、気まずくなることもなく、食事は進んでいたが、ふいに、礼子が振ってくる。

「そういえば、真湖。
 週末、松山に行くんだって?」

「だ、誰に聞いたの?」

「三上さん」

 あんのおしゃべりめーっ、と思ったが。

 まあ、単に、私はバーベキューに来ないのかと礼子に訊かれて話しただけだろう。

 ……それにしても、なんだろう。

 前方から押し寄せる空気が怖い。

「松山なにしに行くんですか?」

「美術館に行くんだっけ?
 意外な趣味だね、真湖りん」

「へー、真湖りんって呼ばれてるんだあ」
と花田が口を挟み、礼子が、

「ねえ、団子買ってきて、三色の。
 あれ、子どもの頃から好きなんだ。

 なんだっけ?」
と言い、

「坊ちゃん団子ですよ」
と誰かが答える。

 結局、全員分の坊ちゃん団子を買ってくる約束をさせられた。

 何故か、花田と、雅喜の分もだ。