課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜




 やはり、伊勢。
 伊勢なのか?

 私を呼んでいるのは伊勢だろうか、と伊勢市から、呼んでない、と言われそうなことを真湖が思っていると、いきなり、ソファがなくなった。

 うわっ、ひっくり返ったあとで、
 ソファが倒れた!?
と振り返ると、雅喜が立っていて、
「人に寄っかかってないで、自力で立て」

 上から見下ろし、そう言ってきた。

「あ、課長でしたか、すみません」
と笑って言う。

 ソファにしては、あったかくて、心地いいなとは思っていたのだが。

 はは、と苦笑いする。

 落としたタブレットに映っている伊勢の夫婦岩の写真を見下ろしていた雅喜が、
「呑むか、沢田」
と言ってきた。

「あ、はい。
 そうですね」
と笑う。