「課長、お昼休み、何処に居たんですか」
帰りの車で、真湖にふいにそんなことを言われ、いや、何処に居たんですかはお前だろう、と思った。
「お前、別に俺を捜してたわけでもないだろう?」
と素っ気なく言うと、
「捜してましたよう」
と言ってくる。
可愛いことを言ってくると思ったが、そんなことを思った途端に、引っ繰り返してくるのが真湖だ。
思わず身構えたが、今日はなにもどんでん返しはなかった。
代わりに、窓で頬杖をつき、はあ、と溜息をついている。
「課長、お昼休みとか、ずーっと一緒に居てくださいよ」
は?
「……なんでだ?」
ちょっとどきりとしながらも、それを表に出さないようにして、訊いてみた。
「私の口からは言えないんですけど。
その、今、ちょっと困ったことがありまして」
と言ってくる。
「困ったことって、三上か?」
「まあ、それ絡みですよね。
いっそ、二人でどっか逃避行したいです」
今日は爆弾発言が多いな、と思っていると、はたと気づいたように、
「課長っ」
とダレていた身体を起こして叫んだ。



