課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜




 次の日、給料日前だからか、みな、外に行かなかったらしく、社食は混んでいた。

「座るとこないねー」
と礼子や後輩たちとトレーを持ったまま立っていた。

「あ、あそこ空いてますよ」
と言われ見ると、雅喜と彼の同期、花田の居るテーブルが空いていた。

「……あそこはやだ」
と思わず、もらすと、

「えー。
 でも、ちょっと座ってみたいです。

 五嶋課長の顔を間近で拝めるなんて、滅多にないじゃないですか。

 真湖さんは、最近、席が近いからいいですけど」

 なんにもよくはないぞ。

「でも、緊張して食べられなくない?」
と言った別の後輩に、礼子が笑って、

「食べ方がなってないっとかって怒られそう」
と言う。

 いや……そこまで他人に興味がないと思う、あの人。

 そのまま立っているわけにも行かないので、結局、雅喜のテーブルに行った。

「此処いいですか?」
と礼子が言うと、寡黙な雅喜と違い、陽気な花田は、

「どうぞどうぞー」
と軽く女子たちに席を勧めてくれる。

 雅喜はちらとこちらを見たが、そのまま食事を続けていた。