課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「そ、それは絶対、信じないと思います」
と言うと、なんで? と言われる。

 いやあ、と苦笑いしていると、
「ああ、課長が初めての相手なんだ?」
と言ってくる。

「……そうなんです」
と俯き、真湖は赤くなって言った。

「私、キスしたの、課長が初めてなんです」
と言うと、羽村が笑い出した。

「えっ? キス? ほんとに?
 っていうか、まさか、それだけ!?

 ……沢田さんっ。
 もう~、ほんとに、沢田さんはっ」
と何故かいつも通りの顔になって、笑い、背中を叩かれる。

 お、落ちます……と思いながら、思わず、そこにあった羽村の腕をつかむ。

 落ちないようにか、真湖の腰に手をやり、手を握って羽村は言った。

「わかった。
 沢田さんに敬意を表して、もうなにもしないよ。

 っていうか、課長がそんなに沢田さんを大事にしてるのなら、なにかしたら、殺されるよね」

 いや、課長が私に手を出さないのは、単に興味がないだけだと思いますが、と思っていると、

「でも、領のことは協力してね」

 それじゃ、と言い、肩を叩いて行ってしまう。