課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「……言うわけないじゃないですかっ」

「怒りそうだよねえ、課長。
 それも尋常じゃなく」

 その尋常じゃない怒りの対象になるのは、貴方でしょうか。私でしょうかね? と思いながら、つかまれたままの腕を見下ろす。

 力強いな~。
 困ったなあ、と思っていると、

「領には言った?」
と羽村は訊いてきた。

「え?」

 三上さんに?
 なんで?
と思っていると、

「言ってよ」
と言う。

「嘘でもいいからさ。
 キスのことだけじゃなくてもいいよ。

 僕とホテルに行ったとか言ってよ」

「なんで……」
と言いかけ、気づいた。

 この間から、羽村が妙な顔で自分たちを見ていた理由に。

「これって、もしかして、三上さんへの嫌がらせなんですか?
 それで私にあんなことしたんですか?」

「沢田さんは、やっぱり勘がいいねえ」

 でもまあ、理由は、それだけでもないんだけどさ、と羽村は言う。