課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「彼氏に甲斐甲斐しく尽くすのを見て、いいなと思っちゃうんだよ。

 俺にもしてくれないかな、あんな風にとか思って」

「いや、そんな、人の彼女を選ばなくても、誰でも三上さんになら甲斐甲斐しくしますよ」
と言うと、落ち込んでる風に手すりに伏せていた三上は目だけを上げて、こちらを見、

「君はしないね」
と言ってくる。

「す、すみません」

 そういえば、料理を作ってもらったが、こちらからはなにもしていない。

「っていうか、課長にもしないよね」
と畳みかけるように言われ、何故か、此処でも三上に、すみません、と謝ってしまった。

 謝るなら、課長に謝るべきだろう。

「実は、昨日帰ってから、ずっと真湖りんのこと、考えてたんだよねー」

 いや、あの、とりあえず、真湖りんはやめてください、と思っていた。

 昨日の、雅喜の、なにが真湖りんだ、チャラチャラしやがって、という台詞を思い出したからだ。

 というか、彼が真湖りんと呼ぶことで、怒られるのが、何故か、三上ではなく、自分だということが納得いかないところなのだが。

 真湖りんと呼ばせる隙を見せるなということだろうか?

 いや、そんな隙を作った覚えはないのだが。

 っていうか、私のことを好きかどうかもわからない、とのたもう男に、いろいろ言われたくない、と思っていた。

「おかしいよねえ。
 真湖りんが課長に尽くすとこ、全然見てないのにね」

 はあ、そうですね。