課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜




 ガラガラを引いて行こうかな、と真湖は、揃えた服などの荷物とボストンバッグを見ながら思っていた。

 ガラガラとはキャリーケースのことだ。

 でも、一泊だしなー。
 こんなもの、ガラガラ引いてったら、何泊する気だとか言いそうだしな、あの人、と思う。

 もうちょっと小さいガラガラが欲しいな。

 そういえば、この間、ちっちゃくて可愛いの鞄屋さんで見たな。

 今から買いに行こうかな、と時計を見る。

 八時だ。

 閉まってたかな、もう。

 微妙な感じだな~と迷う。

 出かけて閉まっていたら嫌だ。

 閉店時間を調べるのに店のカードを探すのもめんどくさく、ぼんやりと、課長はなにで行くのかなあ、と思っていた。

 いつか出張に行く前に会社に来てたときは、確か、高そうな小型のキャリーケースを持って来てた。

 あれかな。

 雅喜に、どんな鞄で行くのか訊いてみたい、と思ったのだが、課長は女子ではないので。

 なに持ってく? きゃっきゃっ、という展開にはなりそうにない。