課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「いやあの、課長も駄目だから、お詫びに旅行連れてってくれるって話になったんじゃないですか」
と言うと、

「さっき、真湖りん、自分でも言ってたみたいだけど。
 そういうことがあっても、課長の家にまだ居るんでしょ?

 しかも、一緒に旅行に行くとか。
 やっぱり、真湖りんは課長のこと好きなんじゃないの?」
と言ってくる。

 あ、なんだ、と思った。

「それ教えてくれるために、今、そんなこと言ったんですね」
と微笑みかけたが、

「違うよ」
と笑顔で言われる。

「じゃあ、行こうよ、社食」
と三上は手をつかんでくる。

「い、いや、あの。
 私、財布がまだ」

「いいよ。
 俺が奢ってあげるよ」
と言って、握った手を離さない。

 おいおい、と思った。

 すると、また、エレベーターに乗れない組なのか、羽村がやってきた。

「あ、羽村」
と三上が上りかけた足を止める。

「お前、昨日、電話出なかったな」
とつないでいる手を羽村が見ながら言う。