私は課長が好きなのだろうかな?
あんなことされても、まだあそこに住んでるなんて。
そんなことを考えながら、翌日の昼休み前、真湖は会社の廊下を歩いていた。
見ると、ちょうど、トイレから出て来たらしい礼子が居た。
「礼ちゃん~」
なによ、という彼女を階段の踊り場に引きずっていく。
もう彼女にはあらかたバレているのでいいか、と思い、ちょっと相談してみた。
「課長とキスしちゃったんだけど」
「え、今頃……?」
なんかその一言で、言う気失せるな……。
「いや、それでも嫌にならないなんて、私、課長のこと好きなのかな? と思って」
「いや、あんたね。
キスひとつでなに言ってんの。
ちょろい女ね~」
あんたのキスにそこまでの重さはないわよ、中高校生じゃないんだから、とまで言われてしまう。
「あんた、王様ゲームとかやんないの?
あら? この間居なかったかしら」
と言ってくる。
「私、負けたことないから」
ああ、そう、と軽く流された。



