課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 だが、雅喜は、自分でもよくわからないらしく、首をひねっている。

 そこでひねるのなら、やりたい放題にやるなよっ、と思った。

「まあ、お前のことは可愛いと思うし、側に置いておきたいと思うが、それが好きという感情かはわからない」

 もう一度、キスでもしてみるか? と訊いてくる。

「いや、あの、これ以上キスとかしたら、恥ずかしくて、一緒に旅行とか行けないんですけど」
と赤くなって言うと、

「いや……今現在、一緒に住んでるが」

 そこのところは恥ずかしくないのか、と問われる。

 この間の私の気持ちがわかったぞ。

 やっぱり、此処までで鍵をかけたい、と真湖は思った。

 すると、その思いが伝わったように、雅喜は、そこで、すっと手を離した。

「まあ、いい。
 今日はもう疲れただろう。

 寝ろ」

「あ、ありがとうございます(?)」

 なんか此処で、そう言うのも変だな、と思いながらも、礼を言った。

 部屋を出て行こうとすると、雅喜が、

「沢田」
と呼ぶ。

 はい、と振り向いた。

「……明日、シャンプー買いに行くか」

 はいっ、と真湖は笑って頷いた。

 三上が見ていたら、どっかの忠犬みたいだね、と言われそうだな、と思いながらも。