課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「あのー、課長。
 なにか怒らせたのならすみません。

 私に文句があるのなら、言ってください。
 その結果、叩き出されても構いませんから」

 はっきりしないままなの、嫌なんです、と言うと、雅喜は溜息をついて、
「叩き出す予定はない。
 三日は置いてやると言ったろう」
と言ってくる。

 いや、既に一週間以上此処に居ますが、と思ったが、あえて突っ込まなかった。

「まあ、座れ」
と言われ、思わず、床に正座しようとすると、雅喜は、

「お前は、叱られ慣れ過ぎだな……」
と言ってきた。

「違う。
 横に座れと言ったんだ」

 はいっ、と軍隊よろしく返事をし、真湖は雅喜の横に座り直した。

 雅喜は少し迷ったあとで、
「別にお前に怒ってるわけじゃ……
 いや、怒ってるんだが」
と言う。

「お前、なんで自分が俺を殴ろうとしたと思う」

「……非常に言いづらいんですが、課長が私になにかしようとしたからじゃないですか?」

「そうだな」

 いや、そうだなって。
 あっさりか。

「じゃあ、なんで、結局、殴ってないんだと思う?」