結局、雅喜は、まるで天岩戸にこもったかのように出て来ず、真湖はひとり部屋で枕を抱いて考える。
記憶がないんだろうとか、深酒をするなとか。
やっぱり、この間のことか?
……一体、なにがあったんだろうな。
思い出すのが、ちょっと恐ろしい。
手頃な瓶がどうとか言ってたけど。
そういえば、あのこの間捨てた金色の瓶で誰かを殴ろうとしたような。
誰かって、此処には課長しか居ないが。
でも、私が殴ろうとしたってことは、あの人、私が殴らなきゃいけないようなことをしたんじゃないだろうかな。
じゃ、なんで私が怒られてんだ?
すっくと立ち上がった真湖は、雅喜の部屋の前へと舞い戻り、ドアを叩いた。
「課長っ。
あのっ、なんかいろいろと納得いかないんですけどっ。
なんで私の方が怒られないといけないんですかっ。
課長っ?」
だが、雅喜は根性があるので、それだけ叩いても出ては来なかった。
私なら、うるさいっと言って出てくるな、と思いながら、しんとしたままの扉を眺める。
ちっ、と舌打ちし、真湖は部屋へと引き上げた。



