「課長、お風呂空きましたよー」
ああ、いいお湯だった、と思いながら、リビングに戻ると、雅喜はソファで寝ていた。
そういえば、この人もあまりお酒強くなかったよなーと思いながら、ソファの背側から、雅喜の顔を覗き込む。
今日はいい休日だったようだ。
いい顔で寝てるな、と思った。
それにしても、こんなところで寝てると風邪ひくような。
起こすのは可哀想かな、と思いながらも、声をかける。
「課長。
お風呂入らなくても、せめて、ベッドには行ってください。
風邪ひきますよー」
そこで、ふと思いつき、少し笑って言った。
「お姫様抱っこしていきましょうか」
「……できるか」
と返事があった。
「なんだ起きてるんじゃないですか」
と言うと、腕を引っ張られた。
ひゃっ、と声を上げる。
背もたれにすがるようにして、雅喜の顔を覗き込んでいた真湖は頭から、雅喜の上に落ちそうになったのだ。
なんとか背もたれをつかんで、持ちこたえると、雅喜は手を離さないまま言った。
「してやろうか、お姫様抱っこ」



