課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「普通の抱っこやおんぶより、身体に密着する部分が少ないから。

 いや、少ないってか、ないよね!?

 一番腕力が必要で、男として試されてる感じがするのに、なんにも実がないじゃない。

 よくやりますね、課長っ」」
とわからないことを言い、雅喜の肩を叩いていた。

「あー、三上さんが、ただのエロオヤジになってきた。
 そろそろお酒やめたらどうですか?」

「ああ、そうだね、そろそろ」
と三上は時計を見る。

「俺は真湖りんと違って帰らなきゃいけないからね」
と言われて、はたと気づく。

「わ、私も帰りますよ?」

 うそうそ、と三上は笑う。

「此処に来たときから、全然帰るときのこと、考えてなかったじゃない。
 っていうか、俺、ずっと、真湖りんは此処に住んでるくらいの勢いで、出入りしてるんだと思ってたよ」

 そういえば、この家の人間は飢え死にするとか、電気釜を使えとか言ってたなと気がついた。

「あと、さっき、奥の部屋に物取りに入ったじゃん」

 もれなく雅喜に睨まれた。

 この莫迦が、という顔だったが、そもそも、雅喜もそう隠すつもりもなかったように思えるのだが。