「うおっ。
凄いマンションですね、課長っ」
結局、釣った魚を雅喜の家で調理することになり、三上もマンションまでついてきた。
エレベーターで上がりながら、
「すごいじゃん、真湖りん。
玉の輿じゃん」
と言ったあとで、しまった、という顔で雅喜を見て、
「玉の輿だね、沢田さん」
と言い直していた。
そうか。
今日は真湖りんと言わないと思ったら、課長に遠慮していたのか、と気づく。
「にしても、すごいマンションですねー」
と言う三上に、雅喜は玄関扉を開けながら、
「俺が買ったんじゃない。
うちの不動産のひとつだ。
今、貸してないから、使わないともったいないだろ」
といつもの口調で言う。
「うわー、どうしよう、沢田さん。
俺、この人、殴りてー」
いや、わかります、その気持ち、と思った。
「そうだったんですか。
それで家近いのに此処住んでるんですか」
と真湖が言うと、二人について入りながら、三上が、
「あれ? 沢田さん、課長のご実家にも行ってるの?」
いよいよ、結婚間近だね、と言ってくる。



