課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「へー、でも、俺、釣り、よく一人で行くんだよ」

「そうなんですか?
 三上さんって、いつも大勢と居るようなイメージだったんですが」

「いや、釣りは小人数の方がいいよ。
 一人で、ぼんやり海見ながら、釣り糸垂らしてるのがいいんだ」

 ねえ、と頬杖をついて、こちらを見る。

「課長に言っといてよ。
 今度、一緒に釣りに行きませんかって」

「え?」

「もちろん、沢田さんも一緒でいいよ。
 課長とだったら、それぞれが黙々と釣りができそうじゃん」

 確かに。

「でも、お昼食べるのとか一人は寂しいからさ。
 そろそろお昼に行きませんかー、うん、みたいな感じで」

 それで二人で、連れ立って、近くの定食屋に行って、また、なにも言わずに、二人がテレビを見ながら、定食を食べるんだな、と思う。

 それはそれで微笑ましい休日だ。

「あ、沢田さんが、お弁当とか作ってきてくれてもいいなあ」

「買っていきますよ」

 人にふるまえるほどの料理ではない。

 すかさずそう言うと、
「……そう」
と言われる。

 料理の腕の程が返答の素早さで、よく伝わったようだ。