課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「そうなんだ?
 沢田さんって、ああいうタイプが好みだとは思わなかったけど」
と言ってくる。

「ま、好みじゃないですね」
とあっさり言うと、

「……そうなの?」
と困惑される。

「でも、課長、結構面白い人ですよ。
 私、あの人と、いいお友達になれるとは思っていませんでした」

 まあ、向こうが、いいお友達と思ってくれているかはわからないが、そう言う。

 家事もできない下僕に軒下を貸してやっている、くらいに思ってそうだ。

「お友達なの? 五嶋課長と。
 面白い人だね、沢田さんて」

 いや、面白いのは、五嶋課長だ、と思っていた。

 一緒に住んでいても、なにを考えているのか、さっぱりわからない。

 今日の行動にしてもそうだ、と思っていると、羽村が言う。

「じゃあ、今は忙しいよね、アパート探しとかで。
 僕もいい物件ないか探しとくよ」

「ありがとうございます」
と言いながら、でも、近くに竹林があるだけで、ケチをつけてくる男が居るんですが、と思っていた。