課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 んー。
 週末かあ。

 ちょっとアパート探しに行きたいしな。

 まさか、課長、今週旅行に出るとか言い出さないだろうな。

 いや、あの人、唐突な人だからよくわからないし。

「すみません。週末はちょっと」
と言うと、

「最近、いつも忙しそうだね」
と言われる。

 三上たちの誘いを断ったりしているからだろう。

「それが、アパートが焼けまして」

「ええっ。
 そうなの?」

「はい。
 今、知り合いのおうちにご厄介になってるんですが、早く出ないと申し訳ないので」

「知り合いって、清水さんとか?」

「いや、まあ、そんな感じで」
と濁すと、羽村は笑顔のまま少し間を置いて言った。

「五嶋課長とか?」

「……いえ、そんな」

 ヤバイ。
 随分、言葉に間が……。

 だって、もう、車で一緒に来てるのは知れちゃってるしな、という思いが、迷いを生じさせ、答えに間を空かせていた。

 だが、一緒に住んでいるのと車で迎えに来てもらうのとでは、人に与える印象が随分違うような気もするし。