課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「えっ、そうなんですか?
 行きたいですっ。

 私、また勝手に頼んじゃいました?」
と言うと、いや、と言う。

「宿はお前が好きに決めろ。
 どっちに行くかも、お前が決めていい」
とやけに親切なことを言ってくる。

「わあ。いいですねー、旅。
 あ、でも、まだ課長に前回のお金返してません」

「今回はいい。
 奢ってやる」

「え、なんでですか?
 駄目ですよ」
と言ったが、いい、と言う。

「これ以上、借りを作りたくないんです」

 そうも言ってみたのだが、
「詫びだからいい」
と言い出した。

 え? なんの? と思っているうちに、朝日にそびえる会社のビルが見えてきた。