課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜





 呑み過ぎたが、健やかな目覚めだ。

 真湖はベッドで大きく伸びをする。

 一瞬、此処は何処だったっけ? と思った。

 最近、目覚めるたびに違う場所に居るからだ。

 このこざっぱりとした部屋は、課長のマンションの一室だな、とあたりをつける。

 ケーキが食べたいとぐずったあとの記憶はないが、ちゃんとベッドに入って寝ていたようだ。

 感心感心、と自分に対して思った。

 しかし、どうやら、パジャマに着替えず寝てしまったようだ。

 皺になったな、と思いながら、服をハンガーにかけ、側にあった大きな紙袋の中から、昨日雅喜に買ってもらった服を選んで着替える。

 部屋を出ようとして気がついた。

 鍵がかかっている。

 なんでだ? と思いながら、それを開けた。

 無駄に広いのに、物の少ないリビングに行き、
「課長、おはようございます」
と声をかけたが、雅喜は、ちょっとぎくりとした顔をした。

 窺うようにこちらを見、
「……おはよう」
と言う。

「なんですか? その間」
と訊いてみたが、なんでもない、と言う。

 さっさと洗面所に行ってしまった。