課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「課長は何処に行きたいですか?」

「宮島か伊勢がいいんじゃなかったのか」

「課長の行きたいところでいいですよ」

 そうだなあ、と言っている間に、寝息が聞こえ始めた。

 ついに寝てしまったらしい。

「沢田。
 風邪ひくぞ」
と肩に触れると、真湖は、そのまま、うまく肘掛に頭を預ける形で、ソファに倒れた。

 気持ち良さそうな顔で寝ている。

 美味しいもの食べて、お酒を呑んで、たくさんしゃべって。
 満足そうだった。

「平和な奴だな」

 寝たまま、笑っているかのような真湖に、雅喜も笑う。

 可愛かったから。

 話が合ったから、か。

 それなら今もだけどな。

 雅喜は、ソファの背もたれに両手を置き、幸せそうに寝ている真湖を見下ろした。