課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 いや、少々やかましくはあるのだが、鬱陶しくはないというか。

 こざっぱりした性格をしているので、男だったら、いい友達になれたかもな、という感じだ。

 なのに、なんで、あそこであんなことをしてしまったのだろう。

 真湖には言っていないが、あの線路沿いでのキスは覚えていた。

 ……っていうか、お前も逃げろよ、と思いながら、雅喜はスマホをソファに放った。

 テレビはまだ一人で笑い声を上げている。

 そういえば、今、沢田の方からも同じ音が聞こえていたな、と思いながら、ソファにすがり、それを見た。