課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「だいたい、霊が出ても、課長も見えないんでしょ?

 だったら、問題ないじゃないですか。
 課長が来られても」

「お前の家に行くとか言ってないぞ」

「じゃあ、なんで反対するんですかっ」
と酔った弾みで、雅喜の膝に両手を置き、身を乗り出す。

 逃げないように、間近に、その瞳を見つめた。

 酔っているから、凍てつかないし、怖くもない。

「……あいつの家が近いからだよ」

 雅喜はそう言った。

 膝から手を離し、真湖は唸る。

「礼ちゃんたち、すごいですっ。
 そうじゃないかって言ってましたっ」

「……そうか」

「じゃあ、課長は、礼ちゃんたちが言うように、私のことが好きなんですか?」

 あっけらかんとまた訊いてしまう。

「お前、相当酔ってるな。
 そんなわけないだろう」

 真湖は反応の鈍くなった頭で少し考え、
「そうですよね?」
と確認するように呟く。

「もう寝たらどうだ」
と雅喜に言われた。

 いや、自分でもそう思うのだが、もうちょっと訊いておきたいことがある気がするのだ。