課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜




 一台のタクシーに乗った真湖たちは、響子を降ろし、二人で雅喜のマンションに帰った。

「はー、楽しかったですー」
と荷物を置いたあとで、真湖は冷蔵庫を見、

「冷蔵庫のケーキ、食べられないでしょうかね」
と呟く。

「お前、それ目当てに帰ってきたんじゃないだろうな……」

 また買ってやるから、と雅喜は言った。

「もうちょっと呑むか?」
と金色の瓶のスパークリングワインを出してくる。

 この瓶、課長の趣味じゃないなあ、と思いながら、ピカピカの瓶を眺めていると、貰い物だと言う。

「では、ちょっとだけ」
と笑い、ソファで一杯いただいた。

 だが、既に酔いは回っていた。

「ねえ、課長。
 あの部屋、なにが駄目なんですか」
と真湖は愚痴り始める。

「霊が出てもですね。
 私には見えないんですよ。

 関係ないじゃないですか」

 この酔っ払いが、という目で雅喜が見ていた。

 いや、今日はちゃんと意識はある、と思いながらも、訴える。