課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜





 母親と真湖がまだ、やたら盛り上がって呑んでいるので、なんだかわからないが、結局、雅喜が支払いをすることになった。

 レジで店主が言う。

「いやあ、あんなに響子さんとうちとけてる若いお嬢さん、初めて見ました」

 確かに……と思いながら振り返る。

 最早、俺、そっちのけだな、と思った。

 店主は響子の同級生なので、自分よりも付き合いが長いくらいなのだが、それでも、こんな光景初めて見たという。

「みんな響子さんの前に出ると、緊張しますからね。
 私も未だにですが」
と笑っている。

「あのお嬢さん、ちょっと響子さんと似てますよね、似てないようで」
と真湖を評して店主が言う。

 笑ってこちらを見ていた。

「い、いや、母親に似てるから選んだわけでは……」

 マザコンじゃないぞ、と訴えたかったのだが、よく考えたら、真湖を選んだわけでもなかった。

 言い訳につまり、
「おい、もう帰るぞ」
と真湖たちを呼ぶ。