課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「子供の頃な。
 叔母は僕が小さい頃、まだ独身で、よく可愛がってくれてたから。

 叔母お気に入りの果物屋が経営しているカフェに連れてってくれたり、本買ってくれたりしてた。
 その代わりに、服見に行くのにも付き合わされてたんだ」

 へー、と言いながら、真湖は笑う。

 子供の雅喜が買ってもらった大きな本を手に、とことこ美人な叔母さんの後をついていく姿を想像すると、微笑ましかったからだ。

「課長の子供の頃の写真とか見てみたいです。
 きっと可愛いでしょうね」
と言うと、ものすごく厭そうな顔をする。

 助手席に乗りながら考える。

 なにが厭だったんだろうな。

 可愛いとか言っちゃったから?

 それとも、泣いてる写真とかあるから?

 ……それは見てみたいな。

 ちっちゃな雅喜がぐずっている写真。

 きっと可愛いことだろう。

 お義母さんに頼んでみようかな、と思い、ふふ、と笑う。

 雅喜がまたロクでもないこと考えてるな、という目でこちらを見ていた。