課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 


 戸締りをし、よしっ、と鍵をかけた雅喜は振り向き、真湖に言う。

「お前はなんでも早くに決断しすぎだ」

 それには同意するな、と浩太郎も思った。

「そうかもしれませんけど〜」
と文句を言う真湖を放って、雅喜はこちらを向いて言った。

「今日は忙しい中、すまなかった。
 また結果は後日連絡させるから」

 入社試験か? これ。

 ってか、やっぱり、お前が仕切るのか。

 だが、若いとはいえ、さすが、課長だ。

 思わず、はい、と言いそうになった。

「じゃあ。
 行くぞ、沢田」

 はーい……と不満げに返事しながらも、真湖は雅喜についていく。

 この二人、どういう関係なのか、さっぱりわからん、と思っていた。

 そういえば、さっき、真湖の寝相が悪いとか言ってたな、この男。

 だが、そうかと思えば、真湖の言葉に簡単にうろたえたりするし。

 っていうか、こいつ、まだ寝相が悪いのか、と幼稚園のお泊まり保育で、真湖にカカト落としを食らった経験のある浩太郎は思った。

 ……会社でお泊まり保育ないだろうしな、と思いながら、二人について、階段を下りる。

 真湖と雅喜はまだ大きな声でもめていた。

 こいつら住んだら、近所迷惑だろうなあ、と思っているうちに、下に着く。