課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

『いや、ミュシャが来るの久しぶりじゃないか。
 ちょっと見てみたい。

 確か、頼んだ部屋は、中が何部屋にも別れていたから、別の部屋に泊まるのと変わらないだろう』

 まあ、そりゃそうなんですが、と思っていると、

『どうせ金がないんだろうから、貸しておいてやる。
 分割払いで返せ』
と言ってきた。

「いや、無理です、課長っ」
と真湖はスマホを握りしめる。

「ボーナス一括でお願いしますっ」

『……わかった』
と言って電話は切れた。