課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「そうですよ」
と真湖がいきなり、尻馬に乗ってくる。

「私、見えないから関係ないし。
 課長も見えないでしょう?

 じゃあ、別にいいじゃないですか」

 やっぱり、この男が部屋に来ること前提かっ、と思ったのだが。

 雅喜は何故か、少し間をおいて赤くなった。

「いや、それは……」
とか言っているが、一瞬、言葉が出なかったようだ。

 真湖はなにも気づいておらず、この部屋の何処が気に入ったのかを力説し始める。

 あれ?

 この二人、意外に仲が進展していない? と思った。

 なにか雅喜の反応が少し恥ずかしそうで可愛いし。

 ……この女は、自分の発言の意味に気づいていないようだが、と真湖を横目に見る。

「と、ともかく、一旦、帰ろう」

「ええっ?
 いい部屋ですもん。

 すぐ決まっちゃいますよ〜」

「今まで決まらなかったんだから、決まらないだろ」

「そんな、今日倒産しなかったから、明日もしないみたいなこと言わないでくださいよ〜っ」

「昼休み、終わるだろっ」
という雅喜に引きずられ、真湖は部屋を追い出されていった。