課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜



 

 ドアを開けたとき驚いた。

 俳優かなにかかと思った。

 最近あちこちに貼ってある映画のポスターの男によく似た男が、真湖と一緒に立っていた。

 浩太郎は、此処に来る前、一度、不動産屋に寄ったのだが、いつもはあそこでは見ない大きな車が止まっていた。

 自動車メーカーのパンフレットを見て、こんな車誰が乗れるんだろうな、と思っていたあれだ。

 こいつか、と雅喜を見る。

 この面食いめ、と真湖を睨みながら、
「……変わってんな、お前の彼氏」
と言った。

 雅喜は、どうも、真湖を此処に住まわせたくないらしく、あまりケチをつけるところがないせいか、霊が出ると言い出した。

 見た目と違い、相当変わっているようだ。

「いや、彼氏じゃないよ」
と真湖はケロッとした顔で言う。

 じゃあ、なんで職場の課長が一部下の部屋探しに付き合ってきてんだよ。

 相変わらず、すっとぼけた奴だと思った。