課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 見ると、外に居た不動産屋がまだ話しながら、誰かに頭を下げている。

 そのうち、ぬっと大きな男が玄関から覗いた。

「真湖」
「あっ、浩ちゃん」

 こいつが、コウチャンか。

 やっぱりか。
 この面食いめ。

 案の定、コウチャンは、消防士らしくガタイのいい、濃い顔の男前だった。

 コウチャンはこちらを見て、
「誰?」
と真湖に問う。

「うちの課長。
 時間がないから、乗せてきてもらったの」

 説明、短すぎだろ。

 ただの課長に乗せてきてもらうとか、どんな横暴な部下だ、と思っていると、コウチャンは人懐こい笑顔で、こちらに向かい、挨拶してくる。

「菅田浩太郎(かんだ こうたろう)です。
 真湖の幼馴染です」

 ……知ってる。

「五嶋雅喜です」

 短くそう言ったとき、
「やあやあやあ、すみません」
と不動産屋が戻ってきた。