課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 


 まだ着替えていなかった雅喜が先に席を立ったが、真湖はまだお茶を飲んでいた。

 お茶も美味しいな、これ。

 お茶の葉自体も違うのだろうが、淹れ方が違いそうだ、と思いながら、お茶の色を眺めていると、視線を感じた。

 何故か響子が自分をガン見している。

 言うまいかと思ったが、
「……あの」
と話しかけてみた。

「ああ、ごめんなさい。
 ちょっとよく見ておこうかと思って」

「えっ、なんでですか?」

「やっぱり、今日で解放してあげることにするわ」

「えっ」

 響子は溜息をついて言う。

「息子ってつまらないものね。
 勝手になんでも決めてしまって。

 もういいのよ。
 貴女じゃなくて、雅喜に嫌がらせをしたかったのよ。

 ごめんなさいね、真湖さん」
と言われる。

「うちも女の子が欲しかったわ。

 一緒にお買い物に行ったり、食事に行ったり。

 真湖さんはよくお母様とお出かけされたりするの?」

「そうですね。
 結構一緒に出かけますね。

 帰ったときは、一緒に料理なんかも作ったり」
と言うと、響子は顔をしかめる。

「私は料理が嫌いなのよ」

 ……見てればわかります、と思った。