課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜





 怖いんですけど~、という真湖の声が聞こえた。

 なにが? と眠い頭で雅喜は思う。

 真湖は、ふうーと重い溜息をつき、立ち上がると、部屋の隅に行ったようだ。

 ごそごそとなにかしている。

 ……着替えているのだろうか。

 此処で声はかけられないな、と仕方なく寝たフリをした。

 しばらくすると、
「よしっ」
と声がする。

 目を開けると、真湖は薄緑色のワンピースを着ていた。

「それ」
と横になったまま、言うと、うわっ、と真湖が後退する。

「いや、今、起きたんだ、心配するな。
 よく似合うが、着替えは、それ一枚なんだろう。

 明日はどうするつもりなんだ?」

「うーん。
 明日のことはまた明日考えます」

「阿呆か。
 明日の服は今日用意しとかないと着られないだろうが」
と言うと、ま、そうですけどね、と苦笑いしていた。

 もう一度、目を閉じながら、雅喜は言った。

「……今日は早く終わるから、ちょっと付き合え」

 はい? という真湖の声が聞こえる。

「詫びに、一枚買ってやる」
「えっ、でも」