課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「あっ、お義母さま。
 すみませんっ。

 課ちょ……雅喜さんをちょっと凍死させてしまいましたっ」

 なに言ってるのだ、この嫁は、と思われただろうと思っていると、響子が障子を開け、入ってきた。

 朝から着物だ。

 萌黄色の素敵な着物だった。

 眠っている息子の側に膝をつき、顔を覗き込む。

「あら、よく寝てるじゃないの。
 大丈夫よ。

 顔色も悪くないし、風邪をひくような季節じゃないわ」

 特に過保護というわけでもなさそうだ、と思いながら、その台詞を聞いていた。

 過保護なのは、じいさんなのだろう。

「すみません。
 私が心細くて手を離さなかったから、逃げられなかったみたいで」
と言うと、響子はこちらを見、

「心細い?」
と訊いてきた。

「だって、こんな大きなお屋敷で、いきなり一人とか怖かったので、つい、か……雅喜さんの腕をつかんだまま寝てしまって」