「あれっ、課長っ」
真湖が翌朝、目を覚ますと、雅喜は自分に腕をつかまれたまま、畳の上で寝ていた。
やばいっ。
私じゃなくて、課長が凍死しているっ。
慌てて布団をかけてやる。
私が腕つかんでたから逃げられなかったのかな。
振りほどいていけばよかったのに。
妙なところでやさしい人だな、と思いながら、その顔をマジマジと見つめる。
それにしても、綺麗な顔だ。
ちょっと殴りたくなる。
男がこんなに顔整ってなくていいだろうに。
少し私と変わってくれないだろうか。
そんなしょうもないことを考えていたら、くしゃみが出た。
朝は冷えるな、と辺りを見回すが、普段は使っていない客間らしく、なにもない。
でも、一緒に布団に入るのもな〜と思って上から眺めていると、
「真湖さん?」
と声がした。
顔を上げると、障子に響子のものらしき影が映っている。



