課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜




 家が燃えている。

 と思うのは気のせいだろうか。

 まだ酔っているのかも。

 いや、此処に立っていると目も痛いし、どうやら、現実のようだ。

 駅からの道々、凄い煙な上に、消防車がバンバン何処かに向かっていると思ったら。

 燃えてるってか。

 燃え尽きてる。

 私のアパートが……。

 酔った頭のまま、ぼんやり見ていると、
「そこ、邪魔なんで、退いてください」
と野次馬と間違われて、追い払われそうになった。

「うっ、いえあのー、私、此処の住人なんですが」
と言うと、近くでホースを片付けていた消防士が、はあ? という顔で見た。

 じゃあ、あんた、なに呑気に突っ立ってんだ、と思ったのだろう。

 だが、その消防士は、
「あれっ?」
と言って、こちらを見直す。

「……真湖?」

「え? あれ? 浩ちゃん」
と真湖はそのガタイのいい消防士を見上げた。