課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 ん? 子供の頃からってことは……。

「ご家族で来られるんですか? 此処」

「ま、たまにな」
 あれがうまいんだ、と雅喜は味のついている鶏の串焼きを指差す。

「いや、こちらのお嬢さんも酒豪ですね~」
と焼き上がる前から呑んでいる真湖を見て店主が言った。

「いえ、私はぼちぼち酔うので、そんなに呑まないです。
 今、喉が渇いていたので」
と言ったのだが、雅喜は、なにやらいろいろと言いたそうにこちらを見ていた。

 おそらく、
 酔うの、ぼちぼちじゃねえだろ、とか。
 そんなに呑まないとか、どんな妄想だ、とかだろうな、と自分で思った。

「それより、課長、私、今、こちらのお嬢さんもって言われたんですが。
 課長はいつも、此処に、どちらのお嬢さんを連れて来られてるんですか?」

「……お前、もう酔ってんのか」

 なにを訊いてくる、という目で見られた。

「いや、よく綺麗なご婦人と連れ立って来られますよー」
と雅喜は簡単に店主に裏切られていた。