課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 そのまま行こうとすると、
「あれっ? どうしたんですか?
 いつも程怒鳴らないですね」
と勘のいい真湖が言ってくる。

 仕方なく、足を止め、振り返った。

「俺も花田にバレた」
「えっ」

「すまん。
 だが、あいつはしゃべらないから」

「そうですか」
と言ったあとで、真湖は何故か笑っている。

「なんだ?」
「いえ、課長、意外とやさしいですね」

 何処がっ? と思っていると、
「だって、すまんって。
 そもそも私の失言が原因なのに」

 すみません。
 ありがとうございます、と真湖は謝ってくる。

「いや……土産買い忘れたのは俺も一緒だし。
 たぶん、俺の釣りのせいで、慌ただしくなったのが原因だろうから」
と言うと、

「それはそうですけどね」
と笑う。

 このやろ、と思って、頭を小突いてやろうかと思ったが、廊下から礼子が見ていた。