甘く苦い、毒牙に蝕まれて






「お帰り、まひろ。真守くんが来てるわよ」


「えっ……」


「部屋にいるから。真守くんがうちに来たの、久しぶりね~」



楽しい気持ちが一気に下がった。

何で、うちに来たの?


疑問と少しの恐怖心を抱きながら、2階へと続く階段を上がった。




―ガチャ


部屋に入ると、ベットの上に座って俯く真守くんがいた。



「どうしたの?急に……」


平静を装った。
空気が険悪な事は、手に取るようにわかった。




「……まひろちゃんの、嘘つき」