甘く苦い、毒牙に蝕まれて





でもやっぱり、苦痛で仕方がない。


いい加減もう……真守くんと離れたい。




私達の間に生じ始めていた、亀裂。


気づかないうちに、それは徐々に大きくなりつつあった。





「ねぇ、まひろちゃん!今日の放課後、一緒にパンケーキ食べに行かない?」


「えっ」


「丁度クーポンがあるし、たまには一緒に遊ぼうよ」



休憩時間中。

次の授業の準備をしてたら、急に友達に誘われた。



「いっつも幼馴染と一緒に帰ってるみたいだけど……たまにはいんじゃない?」


「そうだよ!今日はうちらと帰ろうよ」



たまには……いいよね。

私は笑顔で「いいよ」と答えた。