甘く苦い、毒牙に蝕まれて





こいつ……。


どこまで調子に乗ってんだよ。




「悪い意味でクラスの注目を浴びれて、よかったね」


馬鹿にした言葉を残し、多崎は走って行ってしまった。



面倒くさい奴。

何が刺激だ。
何が新しい風だ。



イライラしつつ、教室に戻ってお弁当と水筒を持って急いで3組へ。




「……え、嘘」


3組の教室を覗いて、ビックリした。

まひろちゃんがいない。


どこ行ったんだよ。



中庭に行ってみたが、そこにはいなかった。

雨の日に使用してる空き教室に行ってみたが、そこにもいなかった。